待合室にいても重い面持ちで 俯いている私の隣で、 沙耶が言った。 「絢香、そんな暗い顔しないの。 涼なら大丈夫だよ。 絢香がそんな顔してたら、 涼も辛いと思う」 「………そう、だね」 しばらくすると、 沙耶が「飲み物買ってくるね」 と言って売店に行った。 不意に、さっき涼にもらった紙を 手で握りしめていたことに気づく。 何が書いてあるんだろう……。 私は、その小さな紙を開いた。