「ねぇ……この前… 涼と話してた 可愛い女の子って、誰?」 屋上から病室に戻る時、 私は涼と手を繋ぎながら 一番気になっていたことを 聞いてみた。 「あぁ……沙耶のこと? 沙耶は、ただの幼なじみだよ」 沙耶(さや)さん、っていうんだ……。 「すごく美人だったから、 涼の彼女かと思った」 私がそう言うと、 涼はゆっくりと首を振った。 「違うよ。僕は、ずっと 絢香のことが好きだったから」