桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




涼は、私が話しかけなくても、

何事もなかったかのように

本を読んでいた。


私が帰る時に、

ちらっとこっちを見ただけ。

それも、機嫌が悪そうな顔で。


私のこと……


嫌い、なのかな?



家に帰ったら、

涙が止まらなかった。



あの女の子と

付き合ってるから……

私は“友達”なんだね。


私は涼の、“特別”には

なれないんだ。