桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー



花火に行った日から、三日。



私は、鈴香と涼のベッドの間に


座って3人で話をすることが


日課になっていた。



「涼のお母さんとお父さんは?

 お見舞いに来ないの?」


話が途切れたから、

気になっていたことを聞いてみた。


涼の親らしき人を、

涼に出逢ってから見たことがない。


「……僕の母は…亡くなった。

 父は、アメリカで

 仕事をしていて……

 

 1年に一度くらいしか、

 会えないんだ。


 兄弟もいない」



そうだったんだ…。

……なんだか、いけないことを

聞いてしまったような気がした。


「ごめん………」