桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




その時、涼の口から

思わぬ言葉が飛び出た。


「僕ももうすぐ、星になるのかな……」



「え………?」


今、何て…言った?


「そんなこと……言わないで」


「………え?」


「涼の病気は、絶対に良くなるよ」


藤本先生だって、そう言ってたし。



すると涼は、ふっと微笑んだ。


「ありがとう、絢香」


「べっ……別に、

 私は何もしてないよっ…」


今度は、涼が本当の笑顔になった。


私もつられて

笑顔になってしまうような、

楽しい雰囲気を放つ笑顔に。