桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




私がうつむいていると、

涼が急に話しかけてきた。


「絢香、浴衣 似合うじゃん。


 可愛い」



ドキドキっていう心臓の音が


最高潮に達して、


私は思わず胸を押さえる。



私は男子に“可愛い”何て


言われたことがなかったから、


どうしていいのか


分からなくて、


「あははっ、お姉ちゃん、


 顔が真っ赤」


何て鈴香にまで

笑われる始末だった。