桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




その日の帰り際、

私は涼と鈴香を

担当してくれている

藤本先生と話をしていた。



「藤本先生……

 本当に、いいんですか?」


私は、

花火を見に行きたい気持ちは

山々だけれど

涼と鈴香の体が

心配でならなかった。



「大丈夫だよ。

 涼くんも、鈴香ちゃんも

 確実に病気は

 よくなってきている。


 本人に行きたいという

 気持ちがあるなら……

 いいんじゃないか?」