桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー



結局、

行くとも行かないとも

言わなかった私は、

看護師さんに

無理矢理引きずられて

涼の病室まで来た。


涼は倒れたから、

容体が安定するまで

個室にいるらしい。



それにしても……

なんだろう。


コンコン。

緊張しながらノックすると、

「はい」


扉の向こうから、

優しい声が聞こえた。