桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




それから、涼とやらは

病院に運ばれ、

私は鈴香の病室へ向かった。


あの人、

大丈夫だったのかな……?


いや、大丈夫じゃないって

言ってたよね。



「お姉ちゃん?

 何 ぼーっとしてるの?」


涼のことを考えながら

窓の外を見つめてたら、

鈴香が心配そうに

私の顔を覗き込んだ。


「え?ううん、何でもないよ?」


何か、あの人 近くで見ると

可愛らしい顔をしている。


なんか、

男の子っぽくないっていうことは

ないんだけど……


クラスにいくらでもいる、

中3なのに

小学生並みに暴れている

精神年齢の低い男子達とは、

少し違う感じ。


優しそうで、

笑顔が素敵だなぁ……何て。


私、何考えてんだろう。