卒業式の日。 私は制服を着て、 学校まで向かっていた。 実は、あの沙耶が来た、と 鈴香が教えてくれた日から 学校に行っている。 学校では沙耶と 喋ったりしていて、 決してつまらなくはなかった。 でも、涼がいないと 心にぽっかり穴が あいたような感覚でいた。 沙耶は、卒業式に渡したいという “何か”の話はしなかった。 それにしても、何なんだろう。