桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー







すると、部屋の外から

可愛い声が聞こえた。




「お姉ちゃん……? 入るよ」



鈴香だ。




「うん」






「お姉ちゃん、昼ご飯」




「あ……ありがとう」





昼ご飯は、小さな小さな

おにぎりだった。



鈴香が、小さな手で

一生懸命握ってくれたんだ。



「それと……ね。



 さっき、沙耶ちゃんが


 家に来たんだけど」




「沙耶、が……?」




沙耶……何の用だろう。