「もしもし?」 電話の主は、沙耶だった。 『……絢香…、涼が、亡くなった』 涼が………亡くなった? 嘘でしょ、沙耶。 「沙耶、冗談言わないでって」 『本当。涼が、死んじゃった』 電話越しに聞こえる沙耶の声は 震えていて、 泣いているようだった。 なに、言ってるの? 涼は今日、私と一緒に 映画を見るって言ったんだよ? なのに、なんで?