次の日の朝。 「涼、昨日は楽しかったね」 「うん」 私はいつものように、 学校に来て涼とお喋り。 「絢香、今度映画見に行かない? 父さんが、今話題になってる 映画のチケットを もらってきたんだ」 「えっ! いいの? 行きたい!」 私がそう言うと、 涼はにっこり笑って いいよ、と言った。 その時、ガラッと担任の 川島先生が入ってきた。 「HRを始めるー。席に着けー」 でも、この映画を見に行く 約束は……、 二度と叶えられることは、 なかった。