桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー



何を言えばいいのか

戸惑っていると、

また優しい声が聞こえた。


「君、毎日妹のお見舞いに……

 来ているよね?」


「……来ているけど………」

何で、そんなことを聞くんだろうか。

よく分からない。


「…………」

お互い黙りこんでしまって、

私はよく分からないまま

病院に向かって走った。


「…待って……!」

彼の声が聞こえたけれど、

私はそのまま走った。