そして、涼の誕生日の日。 私は、いつものように 病院に行って、涼の病室を訪ねる。 「涼ー」 「あ、絢香。あのさ、 退院の日、決まった」 「えっ、ほんと? いつ?」 「来月の、10日」 「そうなんだ! よかったね」 よかった。 涼、また退院できるんだ。