桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー





そんな風に、いつものように

他愛もない話をしていた、その時。




涼の顔から、


楽しそうな笑顔が消えた。





そして突然、胸を押さえながら


苦しそうに顔を歪ませる。




「涼………?大丈夫……?」



どんどん不安が募っていく。




私は急いで看護師さんを呼ぶと、


涼にずっと声を掛けていた。



「涼………、涼………!」




私が何度そう言っても、


涼は返事をしない。



「涼!」