「さぁ、吐け」
腕組みして仁王立ちする亜子に
保健室での出来事を話した
「…それでようやく自分の気持ちにも気付いたと…」
「…はい」
「フツーはもっと早くわかるもんだけど、まぁお子ちゃまな要に
しては逃げなかったなんて頑張ったんじゃない?」
「確かにいつものあたしなら、
あの時、先輩を引き止めるなんてしなかったと思う…。追いかけても拒否される辛さ知ってるから。
でも先輩とはあのままになるのが嫌だったの」
亜子はあたしを抱きしめて
「うん、要は成長してるんだよ。
そうやって少しずつ成長していけばいいの…。
けど、あの後の恵介も少しだけ
かっこよかったんだよ?」
「恵介が?」

