あたしの好きな人は…


「…要」
 
ふと呼ばれて見ると亜子が泣いている
 
「亜子、何泣いてるの?」
 
亜子の涙を拭いてもこっちを見ない
 
どこ見てるの?
 
あたしは振り返った
 
目の前には大きな花束を持った人
その花束を持つ腕には見覚えのあるものが…
 
 
 
 
…あれは
 
2年前のクリスマスに渡せなかった
敦郎先輩へのプレゼント
 
「…うそ」
 
自然と涙が溢れた
 
「卒業おめでとう、要」
 
何度も聞いた事のある声
ずっとずっと聞きたかった声
 
どうして?
 
「まだ向こうにいるんじゃ…」