あれから、あたしは腕時計を肌身離さずつけ、暇さえあればそれを眺める日を送っている
 
ただ、自分を責めるのは辞めた
自分を責めれば責めるほど、
ふさぎ込んで周りに心配かけてしまう
 
そして誰かが言っていた
どんな選択をしても誰にも結果は
わからない
 
あの時、先輩と会えてたとしても
出発は変わらなかったかもしれない
 
あたしとしては時期はどうあれ
ちゃんと留学してくれた、それだけでよかった
 
 
 
 
冬休みが終わって学校に来ると、敦郎先輩の留学を知った子達が至る所で泣いていた
 
先輩、こんなに沢山の人達に好かれてたんだ
 
これを見たら何て言うかな…
 
あたしは泣かないよ
もう十分すぎるくらい泣いたから