「本当はね…。でも、少しでも早く帰ってきたいからって今日23時の便で。5日くらい早く行っても変わらないのに、あの子聞かなくて…。
ごめんね、せっかく来てくれたのに」
「…いえ。あの、…先輩が帰ってきたらこれ、渡してもらえますか?」
先輩へのプレゼントをお母さんへ渡して深々と頭を下げた
「お邪魔しました…」
あたしは
無我夢中で走って
家に着くまでの間、自分を責めた
何で、先輩にケータイを教えておかなかったんだろう
何で、バイトの後は恵介の家に行くって言わなかったんだろう
何で、あの時…あたしは先輩から逃げた
あの時ちゃんと先輩の話を聞いていれば…
こんな事になるなら
意地張らないで電話すればよかった
もっと自分の気持ちを伝えていれば…
何で…何で…