あたしの好きな人は…


雪が積もってて上手く走れない
 
それでも精一杯走って、先輩の家に着いたのは午前0時を過ぎた頃
 
こんな真夜中に押しかけるなんて非常識もいいところ
 
けど、どうしても今日会わなきゃいけない気がした
 
インターホンを鳴らす前にちらっとお店を見ると、まだ灯りがついている
 
 
よかった、まだ誰がいる
 
 
あたしはそーっとお店の中に入った
 
「夜分遅くにすみません…」
 
「はーい」
 
出てきたのは先輩のお母さん
 
「あら、要ちゃんどうしたの?」
 
「こんな遅くに訪ねてすみません。
あの、敦郎先輩はいますか?」
 
「…敦郎と会ってないの?」
 
「…はい。家を留守にしてたので。帰ってポストをあけたら先輩からのプレゼントが…。それで慌てて来たんです」
 
「…そう」
 
お母さんの表情は何だか暗い
 
「敦郎ね、今日出発したの」
 
 
 
 
…え?
 
 
「待って下さい、この前先輩と会った時は年が明けたら行くって…」