…教師?
 
あんなに料理が上手なのに
何で教師に…
 
 
『教師に向いてますよ』
 
 
 
「…あ…」
 
思い出した
 
「何?アツに何て言ったのっ」
 
「…前に、テスト勉強を教えてもらって…すごくわかりやすかったから、教師に向いてますよって…」
 
「何でそんな無神経な事言うのっ。アツは昔から料理人になるのが夢なのに、その才能だってあるのに…」
 
篠原先輩の目は涙が滲んでいた
 
「ごめんなさ…」
 
どうしよう…知らなかったとは言え取り返しのつかないことしちゃった
 
 
「あたしに謝ったって仕方ないでしょ。あんたは人一人の人生をダメにしたのよっ」
 
手を大きく振り上げた
 
…殴られるっ
でも、それに値する事をした
ううん、それ以上かも
 
あたしは咄嗟に目を瞑った