先輩の背中を見ながら必死に
走っても差が縮まらない
『一着3ー7、二着1ー3、三着ー』
ハァハァ…
俺は先輩の近くに行き真相を確かめた
「速いっすね。…先輩がリレーに出たのって昨日の俺らにヤキモチ妬いたからですか?」
すると初めて見た笑顔で答えてくれた
「ヤキモチなんて無縁だと思ってたんだけどな…。さっきの要の応援にも妬けたよ」
あ、笑った
「なら篠原先輩とは別れれば…
俺の前に手を出して言葉を遮った
瞬間、篠原先輩が山下先輩に抱きついてる
「アツ~、速かったねぇ」
俺なんかにヤキモチ妬くくらいなら別れて間宮と付き合ってやればいいのに…
お互い好き同士なのに
何やってんだよ
「水沢くん、惜しかったね」
何も知らない間宮が笑顔で寄ってきた
「…バカか、お前ら」
「え?」
間宮の頭をクシャクシャしながら
「ほら、行くよ」
俺らは応援席に戻った