「先輩からサヨナラを言ったのに…
こんなの…、ズルい」
「うん」
「先輩は…ズルい」
「うん、ごめん」
そのごめんが今までに聞いた事ないくらい優しい声だったせいで、これ以上何も言えなかった
「…俺もいい?」
先輩も?
何言われるんだろ…
「手、背中回してくんない?」
え?
あたしも?
戸惑っていると先輩はあたしの手を掴んで自分の背中へ回す
そしてまたあたしの背中へ手を回した
「ん、これでよし」
「どうして、こんな…」
「俺がしたいから」
そっか…
嬉しかった
けど、距離を置こうと決めたのに
こんな事されるとしがみつきたくなる
ねぇ、先輩
篠原先輩と別れて?それでまた
前みたいに一緒に笑い合おうよ
ガラッ
「取り込み中ごめんね、山下くん
篠原さんが探してたよ」
先生が戻ってきて、急に現実に引き戻される
それを聞くと、あたしから離れて
面倒くさそうに返事をした
「…あぁ」

