あたしの好きな人は…


フラつきながら立ち上がり頭を下げた
 
「ちゃんと着いててやれなかった俺のせいです。すみませんでした」
 
「謝って済む問題じゃないんだよっ」
 
俺の胸ぐらを掴み殴りかかろうとする
 
「おっさん、殴り過ぎ」
 
親父さんの腕を掴みながら間に
割って入って来たのは海里だった
 
「かい、り…」
 
「あぁーあ、酷い顔」
 
何でここに…
 
「そんな顔しなくてもいいのに。
アツが心配だから来たんだよ」
 
クスッと笑いながら言う
 
「お前は誰だっ」
 
「僕は敦郎君のクラスメイトです。篠原さんが事故に遭ったって
聞いたんで。…けど、おっさん、責めるならアツより先に篠原を押した奴じゃないの?」