亜子と歩いてると家の前に人影が…
恵介だ
 
「よう、飯あるからうち来いよ」
 
きっと学校で敦郎先輩の彼女の
話を聞いたからだ
 
恵介は昔からあたしにショックな出来事があるとご飯を用意してくれてた
 
「あたしもいい?」
 
「今日は特別な」
 
恵介にパンチを食らわしてる亜子
 
「ありがとう、恵介」
 
あたしの頭に手を乗せ
「今さら」って笑う恵介
 
何気ない優しさにボロボロの
あたしは涙が出そうになった
 
 
 
「要ちゃん、亜子ちゃんいらっしゃい。たくさん作ったから
どんどん食べてね」
 
「ありがとう、おばさん。要、
少しづつでもいいから食べよ?」
 
あたしは黙って頷く
 
ご飯を一口食べて、おばちゃんの暖かさが心の芯まで染み渡った気がした
 
なるべく皆の前では泣かないようにしていたけど…堪えきれずポタポタと大粒の涙を流して泣いた
 
それを見て抱きしめてくれる亜子と何も言わない恵介
 
こんな時に二人がいてくれて
良かったって心の底から
そう思えた