「話が飛びすぎててわからないですよね。あなたが、一昨日と昨日
あたしを見たと言っていたので
ここで寝泊まりしてるのかと思い
友達に聞いてみたんです。
そしたら、普段ここのカギは
開いてないなんて言うんで、
もしかしたら幽霊なんじゃないかと…昨日お昼に確かめにきたら
カギ締まってたんで予想が確信に
変わったと言うか…何と言うか…」
 
「それで…また確かめに?」
 
「…はい」
 
「クスッ。…面白いこと言うね
カギは…ほら」
 
そう言って指でクルクルと回してるものを見るとカギっぽかった
 
「カギ?」
 
「…正解。だから幽霊じゃないよ」
 
今思えば生きてる人に幽霊だなんて失礼極まりない
 
「あの、ごめんなさい」
 
あたしは深々と頭を下げて謝った
 
「…ん。別に怒ってないよ」
 
キーンコーンカーン
 
「…面倒くさいけど行かなきゃ。あんたも今日はHRから出るんだよ。…またね」
 
そう言って手をヒラヒラさせて
幽霊は行ってしまった