あたしの好きな人は…


「遅くまで付き合わせて悪かったな」
 
「とんでもない。バイト先に押しかけた上に晩ご飯までご馳走になっちゃって、あたしこそすみませんでした」
 
「母さん、要のこと気に入ったみたいだからまた来てやってよ」
 
「はい、ぜひ」
 
そんな話をしながら、あたしの家まで夜道を二人で歩いている
 
「でも、いいお父さんと、お母さんですね。お姉さんも明るくて楽しい人。先輩の温かさは家族譲りですね」
 
「お前も十分温かいよ。それにちゃんと人を気遣ってやれる優しい子だ。だからうちの両親もあんな事言ったんだよ」
 
 
『これからはいつでも来てくれていいからね』
 
 
「…店が忙しいんだ、普段なら言わないさ」
 
「…帰ったらまた行きますって伝えて下さい」
 
「あぁ」
 
「着きました。わざわざ送って頂いてありがとうございます。帰り気を付けて下さいね」