あたしの好きな人は…


「はいっ、亜子」
 
「任せてっ」
 
トスを上げると、見事に撃ち抜く亜子
 
皆、運動神経が良くて何とか
リードしてる状態だったけど、
ローテーションであたしが後方へ下がると…
 
相手の先輩達はコソコソと話をして
 
「要っ」
 
「はいっ」
 
サーブであたしを狙ってきてる…?
 
しかも守備範囲のギリギリ外側を
狙って打ってくるため、隣の子と
ぶつかったりして失点ばかり
 
「要ちゃん、ごめん」
 
あたしのせいなのに…
 
「ううん、あたしこそごめんね」
 
「要、踏ん張りどころだよ。
フォローするから」
 
亜子も自分のポジションじゃないのにフォローしてくれてる
 
何としても取らなきゃ…
 
その時
 
「危ないっ」
 
声が聞こえた時にはもう遅くて…