「……ん……」
それから一晩が明けた朝。私はあまり眠れず目を覚ました。
それもそのはず。慣れないビジネスホテルのベッドの上、スーツの上着を脱ぐことすらも出来ず、いまだ内海さんに抱きしめられたままなのだから。
……ぜ、全然寝た気がしない……。
腕から抜け出そうとしたものの、寝ぼけているのかその腕はしっかりと体を抱き締めて離してはくれず……諦めて私もこのまま寝てしまおうと思ったけれど、ドキドキしてそれどころではなく。
ほんの少し眠りにはつけたけれど、熟睡にはほど遠かった。
その腕に抱き締められたままちら、と顔を見上げると、『スー』と眠る内海さんがいる。
よく寝ているなぁ……。いつもはあんな怖い顔の人が、こんなに穏やかな寝顔しちゃったりして。
……どんな夢、見ているのかな。
『……カノン……』
思い出すと、また刺さる棘。
「……ん、……」
見つめていると、丁度目を覚ましたらしい彼は、微かな声とともにそっと目を開ける。



