「それでは、本日はお疲れ様でした。乾杯!」
その夜、打ち合わせを終えた私たち四人は、大阪駅近くの小さな居酒屋の一室で“親睦会”と称した飲み会を開いていた。
がやがやと他の個室やカウンター席からも聞こえるにぎやかな関西弁。普段標準語ばかり聞いているせいか、まるで違う国に来たような錯覚すら感じてしまう。
そんな中で、向かいに座る中川さんはビールの瓶を内海さんへと向ける。
「さ、内海さんも一杯」
「あ……いえ、自分は結構です」
「そないなこと言わんで〜。ほな永井さんは?」
「は、はい!いただきます!」
断る内海さんの代わりに、私のグラスにはコポコポと注がれるビール。見れば彼のグラスにはウーロン茶が入っている。
ウーロン茶……ってことは、内海さんノンアルコール?イメージではビールかウィスキーって感じだけど。
あ、実は酒癖が悪いとか?だから取引先相手の前では飲まないようにしているのかな?
私もあまり飲める方ではないけれど、付き合い程度なら飲める。でも酔っ払っても大変だし、そこそこの程度でやめておかなきゃ。そう私はグラスのビールを一口飲んだ。



