そして、バタバタするうちに木曜、金曜を終えやってきた出張当日である土曜日の朝。
「永井、こっちだ」
「あっはい!」
私と内海さんはそれぞれ一泊分の荷物を手に、二人で東京駅の中を歩いていた。
いつもの制服とは違う、スーツ姿の私の前をツカツカと歩くのはいつもと同じ黒いスーツに白いシャツの内海さんの姿。
いつもと違うのは、その首元は上までボタンがしめられ青いネクタイがきちっと巻かれていること。
……さすがに会社の外ではネクタイ締めるんだ。彼にも一応社会人としてのマナーがあるのだと知る。
「確か新幹線で大阪駅までですよね」
「あぁ。一旦ホテルに荷物預けて、それから電車で取引先に向かう」
予定を確認しながら乗り込むのは、普段は滅多に乗ることのない新幹線。その中はさすが土曜の朝ということもあり、多くの人で座席が埋まっていた。



