ビター・スウィート




私に対して言いづらかったのは、恥ずかしかったから。それは恐らく、家族に対してそういう話が出来ない、照れと同じもの。

つまり、どこまでいっても私は“妹”という立場のままということだ。



突きつけられる現実は、ただただ痛い。



「内海には前から言ってあったんだけど……」

「……え?」



内海さんには、言ってあった……?

広瀬先輩のその言葉に、思わず耳を疑う。



「内海さん、知ってたんですか……?」

「え?うん、内海には付き合い始めから彼女の話してあるし……一回会ったこともあるかな」



ずっと、知っていた。会ったこともある。

ってことは全部知ってたんだ。全部、全部。



「……広瀬先輩、ピアスって開けてました?」

「ピアス?ううん。あ、もしかしてどこかに落ちてた?彼女がよく起きっぱなしにしてその辺落としてるんだよね」

「そう、ですか……」



もしかして、と先程のピアスのことを思い出し訊ねれば、答えは予想通りのもの。



……なにが、『広瀬が昔開けてた』?

分かっていて、わざわざそんな嘘をついたんだ。



ねぇ、内海さん。どうして?なんで?

あぁ、だから。『思うだけ無駄、諦めろ』?