「わっ……わー!?内海さん!?」
「だから言ったのに……こういうところはバカだよねぇ」
「う、うるせぇ……」
案の定、内海さんには強すぎたらしく彼はそのまま横になる。そして「気持ち悪い」を繰り返したかと思えばいつの間にか、そのまま眠ってしまった。
「寝ちゃった……」
「うん、今日は内海はうちに泊まらせるよ」
長い睫毛を伏せ、相変わらず綺麗な寝顔をしてみせる内海さんに、広瀬先輩は奥の恐らく寝室であろう部屋から毛布を一枚持ってくると彼へそっとかけた。
その気遣いが、やはり彼のいいところだと思う。
広瀬先輩とふたりきりとなった室内は、内海さんの声がないだけで随分静かに感じられる。
その静けさのなか、私は水割りを作り直すとまた一口飲んだ。
「内海さんって、本当にお酒弱いんですね」
「うん。吐かないけど寝ちゃうんだよね」
「いかにも『ウィスキーロックで!』って顔なのに」
「あはは、分かる。俺も最初飲めないって聞いた時はびっくりしたもん」
笑う広瀬先輩は、ちらりと内海さんを見てからこちらへ視線を向けた。穏やかで色素の薄いその瞳に、覗き込む私の顔が映る。



