「内海ー……ってあれ、ちーもいたんだ。どうしたの?」
「広瀬先輩!」
そうしていると部屋の奥からやってきたのは、広瀬先輩。彼は内海さんのデスクにいる私、という光景を珍しいものを見るような目で見る。
「広瀬。どうした?」
「お昼食べた?まだだったら一緒にどうかなと思って」
「あぁ、丁度今行こうと思ってた。そういえば永井、お前もまだだってさっき言ってたな」
「え!?あ、はいっ」
先ほどの私の『お昼抜きで』という発言を聞いていないようできちんと聞いていたらしい。
「そうなの?じゃあちーも一緒に食べよっか」
「いいんですか!」
「うん、もちろん」
にこ、と微笑んで頷く広瀬先輩に内海さんは何も言わず席を立ち歩き出す。そんな彼らの後ろを追いかけるようについていった
広瀬先輩とごはん……!嬉しい!悪魔も一緒なのが残念だけど、でもそれより広瀬先輩と一緒ということに対する嬉しさのほうが勝る。
そして私たち三人は、会社内の小さな社員食堂へやって来た。もう皆がお昼を終えた時間帯ということもあり、席はガラガラと空いている。
「A定食ひとつ」
迷わずすぐさまカウンターへ注文をする内海さんの一方で、私はメニュー表を見て頭を悩ませた。



