私の名前は清水波瑠(しみずはる)。
自分でもお節介だと解っている。それでも何とかして彼女を元気付けたいと思っていたのだった。
本当は親友になりたかった。でも時は容赦なく過ぎて行き、何時の間にか夏休み近くになっていた。
「一学期ももう終わりか。ねぇ、佐々木さん夏休みは何処へ行くの?」
彼女の席に移動して思いきって声を掛けてみた。何事もチャレンジあるのみだからね。
「うーん。この前亡くなったお祖父ちゃんの法事があるの。それくらいかな?」
彼女は上目遣いで私の顔を見つめながら言った。
くっきりとした二重瞼に揺れる長い睫毛。
私は思わずため息を吐いた。
(可愛い。お人形さんみたいだな。うん、やっぱり友達になりたい)
私はすっかり気を良くしていた。
「何だか寂しいね」
もっと気の利いたことを言いたかったのに、口を突いて出たのはそれだった。
「清水さんは?」
「私は島に行こうと思っているの。彼があっちで待っていると思うから」
「えっ、清水さん彼氏いたの?」
「えっ、まあ……」
私はしどろもどろになっていた。
「へえー、清水さんが遠距離恋愛をね」
マジマジと見つめる彼女の唇に指を立てた。
「シッ! 誰にも言ってないの。だから聞かなかったことにして――」
私の慌て振りを見て笑った彼女。
(わあー、彼女笑顔初めて見た。へえー、結構可愛じゃん)
私は意外な展開に更にテンションをアップさせて彼女に私の恋を語り始めた。
「離島で教鞭を取っていた父が埼玉の学校に転勤になり、引っ越して来たの。私は残りたかったんだけど……」
「だから逢いたくて堪らない訳ね」
彼女の指摘に頷いた。
恥ずかしいより、嬉しかった。
私は本当は誰かに聞いてもらいたくて仕方なかったのかも知れない。
この意外な展開に私は上機嫌になっていた。
島には高校がない。
だから姉が中学卒業と同時に呼び戻されたのだ
でも本当の目的は違う。
資産家の一人娘と結婚したために連れ戻されたのだった。
教育学部で同期だった二人は恋に堕ちた。
母は両親の反対を押し切って、父と離島へ旅立っていたのだ。
自分でもお節介だと解っている。それでも何とかして彼女を元気付けたいと思っていたのだった。
本当は親友になりたかった。でも時は容赦なく過ぎて行き、何時の間にか夏休み近くになっていた。
「一学期ももう終わりか。ねぇ、佐々木さん夏休みは何処へ行くの?」
彼女の席に移動して思いきって声を掛けてみた。何事もチャレンジあるのみだからね。
「うーん。この前亡くなったお祖父ちゃんの法事があるの。それくらいかな?」
彼女は上目遣いで私の顔を見つめながら言った。
くっきりとした二重瞼に揺れる長い睫毛。
私は思わずため息を吐いた。
(可愛い。お人形さんみたいだな。うん、やっぱり友達になりたい)
私はすっかり気を良くしていた。
「何だか寂しいね」
もっと気の利いたことを言いたかったのに、口を突いて出たのはそれだった。
「清水さんは?」
「私は島に行こうと思っているの。彼があっちで待っていると思うから」
「えっ、清水さん彼氏いたの?」
「えっ、まあ……」
私はしどろもどろになっていた。
「へえー、清水さんが遠距離恋愛をね」
マジマジと見つめる彼女の唇に指を立てた。
「シッ! 誰にも言ってないの。だから聞かなかったことにして――」
私の慌て振りを見て笑った彼女。
(わあー、彼女笑顔初めて見た。へえー、結構可愛じゃん)
私は意外な展開に更にテンションをアップさせて彼女に私の恋を語り始めた。
「離島で教鞭を取っていた父が埼玉の学校に転勤になり、引っ越して来たの。私は残りたかったんだけど……」
「だから逢いたくて堪らない訳ね」
彼女の指摘に頷いた。
恥ずかしいより、嬉しかった。
私は本当は誰かに聞いてもらいたくて仕方なかったのかも知れない。
この意外な展開に私は上機嫌になっていた。
島には高校がない。
だから姉が中学卒業と同時に呼び戻されたのだ
でも本当の目的は違う。
資産家の一人娘と結婚したために連れ戻されたのだった。
教育学部で同期だった二人は恋に堕ちた。
母は両親の反対を押し切って、父と離島へ旅立っていたのだ。