二学期のメインイベントは何て言っても学園祭。

それはまずダンボール集めから始まる。


近所のスーパーへ行って一言声を掛けてから戴いてくる。

殆どの生徒が手に抱えて徒歩移動。

それはとてつもなく大変な作業なのだ。

大きな物は歩行さえ邪魔をする。
前が見えなくなって、その上物凄く手が疲れる。


日中行動は、お肌のケアを欠かせない女子高生を容赦なく太陽光線が狙い撃ちする。

炎天下に苦渋の決断を強いられのだ。




 それならと、チームを組んで小気味良く。

一人では恥ずかしくてもそこは集団心理で。
それがチームワークを育てたりする。


そんな体力で何とか集めたダンボール。
これを何に使うかは秘密。

体育祭の御輿に化けたり、衣装に化けたり……

利用用途は無限大。


(えっ、衣装!?)

そう、それはどんな衣装かはお楽しみ。




 文化祭では、発表ボードになったり、模擬店の看板になったり……
用途多数。


因みに私のクラスは、教室ではバザー。
庭で行う模擬店ではチョコバナナなのだ。




 この学校には、洋裁部がある。

体育部では、ほぼ一学期で三年生は引退をする。
二学期からは就職活動や、受験生の準備で忙しくなるからだ。


洋裁部では、この体育祭の衣装提供が最後の活動になるのだ。

使用済みの洋服なども大切に保管されていて、応急処置などのリメイクもなされていた。


二人三脚に代わるデカパン競争の巨大なズボンも、彼女達の力作だった。


まずは文化祭で展示され、体育祭で使用する。
それが何時ものパターンらしい。




 私が間違えて履いたピンクのバレーシューズの清水さんは、その衣装部に憧れて所属していた。


清水さんに内緒でこっそり見に行った。

三年生の着ると言うある衣装を……


青いドレス。

オスカルが恋しい人の舞踏会に初めて着た物。

これを誰が着るのか……

私はあれこれ想像して胸を膨らませていた。