勢い良く乗り込んだ電車はガラガラだった。

終点まで後三駅。
東京の駅を出た時はラッシュ状態の車内も、一時間も経つと確実に座れる。

私は入った時とは違い、余裕をみせてゆっくりと着席した。


思ってた以上に空いていたので拍子抜けを食らったためだった。

だから急に恥ずかしくなったのだ。

そりゃそうだ。
此処は最寄り駅の一つ先だったのだ。
私はそのことをすっかり忘れたいたのだった。




 約二時間。
何度か乗り換えてようやく目的地。
母の実家のある田舎の駅に着いた。

田舎と言えば、私の所もかなり田舎なのだけど……


その後バス停に移動した。

一時間に一本あるかないかだった。


(やっぱり田舎だな)

ふと、そんなことを思った。




 やっと、お祖母ちゃんの家から一番近いバス停に着いた。
でもその時は、お昼を大きく回っていた。


昼ご飯は、途中下車駅の中にある立ち食いで済ませていた。

電車の待ち時間が長いからゆっくり食べても間に合うからだった。

そのことは伯母には連絡しておいた。

お昼少し前のことだった。
伯母は……


『何言ってるの。家で食べればいいのに』
そう言ってくれた。

嬉しかった。

優しい伯母の顔を思い出しては泣いていた。


(ごめんなさい……。伯母さん許して。……私どうしても母の苦しみと、私の産まれて来た訳を知りたいの)


私は其処でもう一度決意した。