大反対された母との結婚。
それでも何とか、島で生活することで納得してくれた。
それでも又反対を押し切って埼玉に戻った両親。
そんな二人を責める気持ちは更々ない。
それでも、あのまま島に残っていれば彼が居なくなることはなかった。
私はそう思っていた。
決して両親には言えないことだけど……
父の許嫁がどんな人なのかは誰も知らない。
その人がもし居て父と出会っていたとしたなら、二人は結ばれたのだろうか？
次男坊が産まれたら島で生活させて、其処に骨を埋めてほしい。
それは離島出身の曾祖父の願望だった。
親戚連中はそれを盾に取って、両親をがんじがらめにしてきたのだった。
曾祖父や其処の人々は先祖代々の密命を負っていたのだ。
私には本当は何だか解らないけど、きっと行方不明になっている人物のことだと思っているのだ。
それがあの島の抱えた事情だと言うことは理解している。
あの島は……
って言うかあの辺の島は平家の落人伝説が盛んに語られていた。
壇之浦で源氏に負けた平家は散り散りになり、逃げ延びた。
でも源氏の平家の残党狩は凄まじく、身を隠して生活していかなければならなかったのだ。
曾祖父はあの島の出身者でありながら、身分を偽り源氏側の人と結婚してしまった。
そのことを悔い、逃げる途中で離ればなれになってしまった姫を探し出すことを島の人達に遺言したのだった。
その姫とは平清盛の孫に当たるそうで、世間には隠された存在だったようだ。
平家の血筋を守ること。
それがあの島の信念だったのだ。
曾祖父は島へ訪れる人はこの姫の子孫だと説いた。
だから島の人達は、どんな人でも親身になって世話をしてくれるのだ。
それで、捨て子だった彼も優しく育つことが出来た訳なのだ。
でも姉には嘘はつけない。
彼が島に居なかった本当の理由を打ち明けたのだ。
彼が、彼を捨てた母親と一緒に生活しているらしいことを告げたのだ。
姉は清水早智子と言って、同じ学校の二個先輩だった。
母の実家に帰って来たのは、姉を高校へ進学させるためだったのだ。
だから姉は私と彼のことが心配でならなかったのだ。
島には高校がない。
だからだからそれを口実に呼び戻したのだ。
でも本音は、一人娘の家族と生活してみたかったのだ。
資産家だった清水家。
先祖伝来の家屋や土地を守ってくれる存在がどうしても欲しかったのだ。
それでも何とか、島で生活することで納得してくれた。
それでも又反対を押し切って埼玉に戻った両親。
そんな二人を責める気持ちは更々ない。
それでも、あのまま島に残っていれば彼が居なくなることはなかった。
私はそう思っていた。
決して両親には言えないことだけど……
父の許嫁がどんな人なのかは誰も知らない。
その人がもし居て父と出会っていたとしたなら、二人は結ばれたのだろうか？
次男坊が産まれたら島で生活させて、其処に骨を埋めてほしい。
それは離島出身の曾祖父の願望だった。
親戚連中はそれを盾に取って、両親をがんじがらめにしてきたのだった。
曾祖父や其処の人々は先祖代々の密命を負っていたのだ。
私には本当は何だか解らないけど、きっと行方不明になっている人物のことだと思っているのだ。
それがあの島の抱えた事情だと言うことは理解している。
あの島は……
って言うかあの辺の島は平家の落人伝説が盛んに語られていた。
壇之浦で源氏に負けた平家は散り散りになり、逃げ延びた。
でも源氏の平家の残党狩は凄まじく、身を隠して生活していかなければならなかったのだ。
曾祖父はあの島の出身者でありながら、身分を偽り源氏側の人と結婚してしまった。
そのことを悔い、逃げる途中で離ればなれになってしまった姫を探し出すことを島の人達に遺言したのだった。
その姫とは平清盛の孫に当たるそうで、世間には隠された存在だったようだ。
平家の血筋を守ること。
それがあの島の信念だったのだ。
曾祖父は島へ訪れる人はこの姫の子孫だと説いた。
だから島の人達は、どんな人でも親身になって世話をしてくれるのだ。
それで、捨て子だった彼も優しく育つことが出来た訳なのだ。
でも姉には嘘はつけない。
彼が島に居なかった本当の理由を打ち明けたのだ。
彼が、彼を捨てた母親と一緒に生活しているらしいことを告げたのだ。
姉は清水早智子と言って、同じ学校の二個先輩だった。
母の実家に帰って来たのは、姉を高校へ進学させるためだったのだ。
だから姉は私と彼のことが心配でならなかったのだ。
島には高校がない。
だからだからそれを口実に呼び戻したのだ。
でも本音は、一人娘の家族と生活してみたかったのだ。
資産家だった清水家。
先祖伝来の家屋や土地を守ってくれる存在がどうしても欲しかったのだ。
