イベント後、二階に移動した。
暑い街中を避けるために、CDショップに書いてあった別ルートを試すことにしたのだ。
『幻よ、ゲン。まぼろしと書くの』
と教えてくれた人が案内してくれることになった。
一番端にあるドアを開けると、又熱気が肌を覆う。
アーケード型掛け橋を渡ると、隣のビルにドアにたどり着いた。
其処は、可愛い洋服を売る店が沢山並んでいた。
その人の後に付いてその中の通路を進んで行くと、左のドアに行き着いた。
階段を上ると、JR高崎線のホームがあった。
私はその人にお礼を言って秩父線に急いだ。
SLが見たかったのだ。
今ならまだ間に合うと思ったから。
通路の人はまばらになっていた。
でも、あの人はまだ其処にいた。
駅方面には古い電車が停まっていた。
私はそれを見ながら、カメラを持った女性側に移動した。
私達も行動を共にすることにしたのだ。
秩父方面から煙を吐きながらSLが迫って来る。
でもそれは音だけだった。
でもやっと駅ビルの下から煙が出て、SLが入って来た。
「このアングルがいいのよねー。だって狙わないと絶対に撮れない一枚だから」
ふうーんと思いながら、又反対側に移動した。
でも、煙だけでSLは見られなかった。
「やっぱり此処からは見られないのですね」
私こ質問にその人は頷いた。
SLは反対側の線路に……
通路では見えない位置だったのだ。
それでも、垣間見たその迫力に圧倒されて私は興奮していた。
もくもくと上がる蒸気を吐きながら、SLが通路の下を通過した。
その光景を思い出す。
「初めて見たよー!! お母さん!」
私は母の手を握り締めていた。
パレオエキスプレスは、熊谷が出発駅であり到着駅なのだ。
「ちょっとしか見えなかったけど迫力あったね!!」
私は又、母の手を握り締めていた。
「何時か二人っきりで乗りたいね」
私は言う。
「秋の秩父路なんかきっと最高ね」
私の言葉に対して、返事が返ってきた。
どうせ父は行かない。
行くはずはないと思っていた。
暑い街中を避けるために、CDショップに書いてあった別ルートを試すことにしたのだ。
『幻よ、ゲン。まぼろしと書くの』
と教えてくれた人が案内してくれることになった。
一番端にあるドアを開けると、又熱気が肌を覆う。
アーケード型掛け橋を渡ると、隣のビルにドアにたどり着いた。
其処は、可愛い洋服を売る店が沢山並んでいた。
その人の後に付いてその中の通路を進んで行くと、左のドアに行き着いた。
階段を上ると、JR高崎線のホームがあった。
私はその人にお礼を言って秩父線に急いだ。
SLが見たかったのだ。
今ならまだ間に合うと思ったから。
通路の人はまばらになっていた。
でも、あの人はまだ其処にいた。
駅方面には古い電車が停まっていた。
私はそれを見ながら、カメラを持った女性側に移動した。
私達も行動を共にすることにしたのだ。
秩父方面から煙を吐きながらSLが迫って来る。
でもそれは音だけだった。
でもやっと駅ビルの下から煙が出て、SLが入って来た。
「このアングルがいいのよねー。だって狙わないと絶対に撮れない一枚だから」
ふうーんと思いながら、又反対側に移動した。
でも、煙だけでSLは見られなかった。
「やっぱり此処からは見られないのですね」
私こ質問にその人は頷いた。
SLは反対側の線路に……
通路では見えない位置だったのだ。
それでも、垣間見たその迫力に圧倒されて私は興奮していた。
もくもくと上がる蒸気を吐きながら、SLが通路の下を通過した。
その光景を思い出す。
「初めて見たよー!! お母さん!」
私は母の手を握り締めていた。
パレオエキスプレスは、熊谷が出発駅であり到着駅なのだ。
「ちょっとしか見えなかったけど迫力あったね!!」
私は又、母の手を握り締めていた。
「何時か二人っきりで乗りたいね」
私は言う。
「秋の秩父路なんかきっと最高ね」
私の言葉に対して、返事が返ってきた。
どうせ父は行かない。
行くはずはないと思っていた。


