清水さんからの連絡では、親戚連中に私と水野先生の恋がバレて色々と大変だったらしい。

何でも、水野先生の自宅に集合して根掘りは堀追求されたらしい。


それでも何とか、DNAの結果を聞くために又二人で出掛けられることになったようだ。

でも私は、詳しい話は聞かされてはいなかった。


ただ、親戚の者が反対しているとしか……

そりゃそうだと思った。


これから教師になろうとしている者が、研修中に出逢った生徒を好きになって交際しようとしているのだから……


(ごめんね先生。私が好きになったばっかりに……)

私は水野先生に心の中で誤ってばかりいた。




 私達は、この前より少し早めの電車に乗った。

幾つか乗り換え、やっと後数駅と言う所までやって来た。


「姫ーー!」

突然水野先生が言った。

私が驚いて見ると、水野先生は目を擦っていた。


疲れて眠っていたようだ。


「ごめん、俺今何か言わなかったか?」


「うん。確か『姫ーー』って叫んでた」


「やっぱり。俺、最近おかしいんだ。時々変な夢を見るから」


「えっ、どんな夢?」

私は思わず聞いていた。
だって今時『姫ーー』だなんて……
絶対に何かあると思ったのだ。