私は、翌日の早朝バス停にいた。

勿論水野先生と、本当の父親探しをするためだった。


水野先生も遣らなければいけないことが山積みのはずなのに、泣きじゃくる私を見て放っておけなくなったようだ。

本気で手伝って言ってくれた。


嬉しいよ……
でも悪いよ……
こんな私のために……

だって水野先生はこれから自分の未来を決めなくてはいけないのだから。


本当はそのことを相談するために叔父さんに会いに来たんだって。

そんな大事な日に、私のことに巻き込んでしまった。


そして今日も又……




 バスは雪のせいで遅れているようだった。


(――もう!
何やってるの!?)

私は発着予定の時間割を指でなぞってはため息をはいた。

水野先生は先に駅のホームで待ってくれているはすだった。


(――こんな時、携帯さえあれば……)

私は意地悪な父に又腹を立てていた。




 やっと来たバスに乗り込んだ。

でも乗り込んだ途端、水野先生の優しさが私を泣かせていた。

後から後から、涙が落ちてくる。
でもそれは嬉し涙だった。


(――ああ……早く逢いたい!!)

私の心は既に水野先生の元へ跳んでいた。