十二月二十五日。
三月の卒業式にはまだちょっと早いけど、追い出し会が高校の近くの市民ホールで行われてようとしていた。
学校は冬休みで、クリスマス会を合わせたイベントになる予定だった。
私の住む地域からだと其処は約五キロ離れていて、自転車だと一時間以上かかる場所だった。
卒業生に受験勉強や就職活動をしやすくさせるためにこの時期に開催されていたのだった。
学校へは何時も自転車で行っていた。
だから今日とそれで行くつもりだった。
でも……
いくら近くにあると言っても、その市営のホールはかなり離れていたのだった。
母は私を気遣って、昨日の内に父に車で送ってもらえるように話をしてくれていた。
私が部屋に引き籠もっていた時に。
何時もなら、自転車で行ける。
でもこんな積もった雪道では、到底走れない。
私は気を揉みながら、父を待った。
やっと起きて来た父は雪を見ていた。
「こんなに積もっちゃ車は出せないな」
と、当たり前のように言う。
「えっ!? じゃあ綾は何で行けば良いの?」
母が聞く。
「何時もの自転車で行けばいい」
血も涙もないような父の発言に遂に母はキレた。
「そんなー、あんまりだわ! 綾が、綾が可哀想過ぎる!」
母は泣きながら訴えた。
「あんなに昨日頼んだじゃないの!」
母は興奮していた。
その時、父の目が私を睨んだ。
昨日のお返しだと言っているように思えた。
その時、私は覚悟を決めた。
三月の卒業式にはまだちょっと早いけど、追い出し会が高校の近くの市民ホールで行われてようとしていた。
学校は冬休みで、クリスマス会を合わせたイベントになる予定だった。
私の住む地域からだと其処は約五キロ離れていて、自転車だと一時間以上かかる場所だった。
卒業生に受験勉強や就職活動をしやすくさせるためにこの時期に開催されていたのだった。
学校へは何時も自転車で行っていた。
だから今日とそれで行くつもりだった。
でも……
いくら近くにあると言っても、その市営のホールはかなり離れていたのだった。
母は私を気遣って、昨日の内に父に車で送ってもらえるように話をしてくれていた。
私が部屋に引き籠もっていた時に。
何時もなら、自転車で行ける。
でもこんな積もった雪道では、到底走れない。
私は気を揉みながら、父を待った。
やっと起きて来た父は雪を見ていた。
「こんなに積もっちゃ車は出せないな」
と、当たり前のように言う。
「えっ!? じゃあ綾は何で行けば良いの?」
母が聞く。
「何時もの自転車で行けばいい」
血も涙もないような父の発言に遂に母はキレた。
「そんなー、あんまりだわ! 綾が、綾が可哀想過ぎる!」
母は泣きながら訴えた。
「あんなに昨日頼んだじゃないの!」
母は興奮していた。
その時、父の目が私を睨んだ。
昨日のお返しだと言っているように思えた。
その時、私は覚悟を決めた。


