母と来たかった。
でもこうゆう時に限って早く帰ってくる父。
それも中途半端な時間を選んで。
クリスマスイブだから早く帰って来た訳ではのないのだ。
お祭りの日だって、七夕の日だって、夜から出掛けようとすると必ず邪魔をするためだけにこう言う時間を選んで帰って来るのだ。
だって何時もの年は、私が泣きながら眠った後に帰って来ていたのだから。
子供の時は、父と一緒のクリスマスを楽しみにしていた。
でも、一度も一緒にクリスマスケーキを食べた記憶がない。
本当に本当に……
やり方が汚い父だった。
「佐々木さん」
いきなり声を掛けられた。
振り返ると、其処に清水姉妹がいた。
何時か渋谷で会った叔父さんもいた。
「あらっ泣いてるの?」
清水さんの言葉に驚いて、手袋を外して指を頬に持って行った。
指先が濡れていた。
私は涙を親友に見られたことが気まづくなり、そっと会釈をして帰路についた。
(――何のために行ったの!?
――解らないよ!!)
私は自問自答した。
でもこれだけは言える。
決して惨めになるために来たのではない。
振り向くと……
雪と炎で、歩道橋が幻想的に映った。
そう……
これが見たかったのだ。
母と一緒に……
でもこうゆう時に限って早く帰ってくる父。
それも中途半端な時間を選んで。
クリスマスイブだから早く帰って来た訳ではのないのだ。
お祭りの日だって、七夕の日だって、夜から出掛けようとすると必ず邪魔をするためだけにこう言う時間を選んで帰って来るのだ。
だって何時もの年は、私が泣きながら眠った後に帰って来ていたのだから。
子供の時は、父と一緒のクリスマスを楽しみにしていた。
でも、一度も一緒にクリスマスケーキを食べた記憶がない。
本当に本当に……
やり方が汚い父だった。
「佐々木さん」
いきなり声を掛けられた。
振り返ると、其処に清水姉妹がいた。
何時か渋谷で会った叔父さんもいた。
「あらっ泣いてるの?」
清水さんの言葉に驚いて、手袋を外して指を頬に持って行った。
指先が濡れていた。
私は涙を親友に見られたことが気まづくなり、そっと会釈をして帰路についた。
(――何のために行ったの!?
――解らないよ!!)
私は自問自答した。
でもこれだけは言える。
決して惨めになるために来たのではない。
振り向くと……
雪と炎で、歩道橋が幻想的に映った。
そう……
これが見たかったのだ。
母と一緒に……


