少し経ったら声をかけてみようか。

そんな不安の声が僕を呼び起こした。

その人は緑のソファーに座り何かを熱心に書いているようだった。
仕事だろうか?
いつ頼んだかわからないコーヒーは生きる気力を失い彼女の横で息を潜めていた。

どれだけ時間が経ったかはわからないが突然彼女は書いた紙を几帳面に整えだした

一方的な彼女からの別れを瞬時に理解した僕は同時に雄としての理性も取り戻
した。

追いかけ出した僕はまるで虎?いや猫科の動物という事にしておこう。

彼女はすぐ振り返り僕の方を見た。不審な「なにか?」という感じではなく自分が
忘れ物をしてしまったかのような失敗を探す綺麗な「なにか?」だった。

今思えばそういう路線で攻めるのも良かったと考えたがもうどうでもいい。

僕が走り出す路線はいつもでかい石ころばかり置いてありうまく走れない。

いやそれ置いているのは自分自身かも…それを考えだすと結局ミニチュア電車の永遠ループだ。
あ、あの…足立といいます!名前を教えてくれませんか?