明日が来るなら…

「母さんがね…入院したの」

「……は?ちょっ、何時からだよ?!」
「…先月から」
今は六月後半。て事は俺は二ヶ月近く知らなかったってことかよ。
紫春の母には俺も何度か会ってて、お世話になってんのに…クソっ。

「あ、あの…羽海野くん今まで黙っててごめんなさい。でっでもね羽海野くんに迷惑かけちゃったら嫌だから、だからねっ…」
「判ってるよ」
「え…」
紫春は凪の為に言わなかった。それは紫春なりの優しさなのだが、逆に凪の不安になる事が判らなかった。

「お前がそうやって自分一人で解決しようとすんのはもう知ってる。でもさ、」
言いながら、紫春を引き寄せ自分の腕の中に閉じ込める。

「もうちょい、彼氏さんを頼ってくれてもいいんじゃない?」

「・・・・ん。判った。
羽海野くん、ごめんなさい」