明日が来るなら…

。゜*海*゜。
「羽海野くーーん!」
「おい、人の名前を叫ぶなよ」
えへっと笑う紫春は可愛い。そんな紫春を眩しそうに見つめる凪は何を思ってるのだろうか。
否、何も思っていなかった。
彼は付き合って半年になる紫春との関係に疑問を持ち始めていた。
俺は好き…じゃないんだろうな、紫春んこと。
いい奴何だけど、好きとはこういう事じゃないって事ぐらいは何となく判る。
しかし、皮肉にも半年という長い期間一緒にいるから、紫春の変化に凪は気付いていた。



「なぁ、紫春。お前何隠してんだ」


「え…と、何にも?」
彼女は良くも悪くも素直だった。現に今も眉尻を下げ、困った時の笑顔になっている。
紫春自身は気付いてないのだが。

「嘘はだーめ。それとも何?俺に話せないような事なの?」
あざとく、コテンと首を傾ける。
こうすれば、
「羽海野くんずるい!」
と言いつつ、顔を真っ赤にする紫春が話し始めることを知っていた。