まだ蝉の鳴き声も聞こえない、梅雨。蒸し暑さから学生の制服が半袖に変わる季節。そんな夏目前の今、一人の青年がシャツをばたつかせながら坂を登っていた。
彼は羽海野 凪(ウミノ ナギ)。光陰高校2年。
少し暗いブラウンの髪にぱっちりとした二重。
カラーシャツの上にワイシャツと言うやや着崩した制服に身を包んだその身長は170後半はあるのではないか。
はっきりいって容姿は悪くない。寧ろイケメンの部類に入るだろう。それなのにどこと無く“残念"な空気が漂っている。
その理由はきっと過ぎ行く日々をただ流されるままに過ごしてるのがオーラとして滲み出ているのだろう。
彼の隣には、これまた制服姿の少女がいた。制服姿といっても彼女は学校指定のポロシャツに短すぎないスカート。黒縁眼鏡と黒髪が真面目な印象を与えるが、メイクなしでもぱっちりした二重に薄ら赤みを帯びた頬、何と言っても潤いのある艶やかな唇。眼鏡をとったらモテるだろうに、勿体無い。…それはさておき、彼女は東峰 紫春(アズマネ ムツキ)。驚くなかれ凪の彼女だ。
彼らは今、学校前の長い坂をゆっくり登っていた。
彼は羽海野 凪(ウミノ ナギ)。光陰高校2年。
少し暗いブラウンの髪にぱっちりとした二重。
カラーシャツの上にワイシャツと言うやや着崩した制服に身を包んだその身長は170後半はあるのではないか。
はっきりいって容姿は悪くない。寧ろイケメンの部類に入るだろう。それなのにどこと無く“残念"な空気が漂っている。
その理由はきっと過ぎ行く日々をただ流されるままに過ごしてるのがオーラとして滲み出ているのだろう。
彼の隣には、これまた制服姿の少女がいた。制服姿といっても彼女は学校指定のポロシャツに短すぎないスカート。黒縁眼鏡と黒髪が真面目な印象を与えるが、メイクなしでもぱっちりした二重に薄ら赤みを帯びた頬、何と言っても潤いのある艶やかな唇。眼鏡をとったらモテるだろうに、勿体無い。…それはさておき、彼女は東峰 紫春(アズマネ ムツキ)。驚くなかれ凪の彼女だ。
彼らは今、学校前の長い坂をゆっくり登っていた。
