「それで島野先生、松崎くんはどう?」



朝、私は教頭先生に呼び出された。



「もう意識ははっきりしていて
会話もいつもどおり出来ます。
食欲も旺盛ですから
順調に回復していると思います」



事故後数日間は昏睡状態が続いて
目が冷めなかったらどうしようかと
心配だった松崎くんだけれど
驚きの回復力で今ではもうすっかり元気だ。
それがとっても嬉しくて
報告なのに思わず笑顔になってしまう。



「はあ、そうじゃなくてだね」



笑顔の私にあからさまなため息をついて
教頭先生は机をカカカとペンで叩いた。



「プレイヤーとしていつ復帰出来るの、
てゆーか復帰出来るの?」
「え?」



質問の本質に気づいて
思わず眉をひそめる私。