「やや、別に呼ばなくてもっ」
「何で今さら遠慮すんの」



真っ赤になったミオの言葉を遮ると
ダル男が重そうな腰を上げて
奥に向かって名前を呼んだ。



「え、なにー?」



すぐに出てきた佐々くんを見て
ミオはさらに真っ赤になった。



「同じ学校のコが来てるから」



ん、と俺とミオを指すダル男。
俺たちを見た瞬間、あー!と
佐々くんは笑顔になった。



「隣のクラスの
北条さんと島野さんでしょ!
来てくれたんだー!!」



何故名前を知っている。



隣で沸騰寸前のミオを横目に
俺もモテ男の思考回路に驚いた。